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追憶歌

uta
特別の人へ

昔同級生だった女の子が自殺したって
いきなり聞いても現実感薄くて
流れるままに葬式 大勢の参列者
その中の一人に紛れ込む
悲しいとさえ思えない遠い友達のため

死んだら元も子もないって言うけど
死んだから思い出せるようになった
死んでから君が特別になった
それがすごく悲しいし悔しい…

生きてる内はロクに言葉を交わさずに
ただ同じ場所にいて 別々の道に進んだ
それなのに死んだ後は簡単な言葉でまくられて
その後にしか思い出せないなんてさ
ごめんなさい、後悔してます




数年前、小学校の頃腐れ縁だった友達の女の子が自殺した。なぜ彼女が自殺したのか、その過程は全て省かせて頂くとして。でも、一つだけ後悔してることがある。それはそれまで彼女のこと全く忘れていたのに、死んでから度々思い出すようになったこと。彼女が死んで特別な人になってしまったことだ。

詩作を始めてから、この時のことを詩にしたかった。今でも思い出すと、今でも色々な感情が浮かぶ。しかし、彼女を覚えている一人として受け入れて生きてゆくしかない。だから、この詩は彼女へ宛てた手紙のようなつもりでもある。

あと、先日の祖母の葬式にも共通するけど。葬式の時、司会の人に祖母の紹介をして頂いたのを聞いて思った。70年間生きてきた人の人生が、どこにでもあるような言葉で語られてしまうんだなって。きっと、それは僕が死んだ時も一緒で。でも、僕自身は色んな事を後ろめたく思ったまま生きてきたから、振り返ってもあまりカッコイイ人生じゃない。けど、それも綺麗に整えられて語られるんだろう。どうやら、死んだら全くの別人になってしまうらしい。

この詩について考えてる時、ようやく死が悲しいって気づいた。生きている内にしか、その人のことを知れなくて。死んでからは思い出として美化され、それも段々忘れてしまう。だから、今は生きている人たちを大事にしようと思う。今年ももうすぐ、彼女の命日がやってくる…