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習作①(駄文)

novels(original)

at Nakano Home

 線路の周りに生えてる雑草が伸びきっていた。それを眺めていると、まるでわたしみたいだなぁって感じられる。多分季節の変わり目には刈り取られるんだろうけど、それまでは手を付けられないからって放置されているだけ。それだけの存在で肯定も否定もされず、ただそこで生きているだけ。でも刈り取られる分だけ、わたしは雑草を羨ましく思う。
 私は殺されたい。自殺や自死のような言葉に還元されてしまうような死ではなく、同じ血の流れる誰かの明確な悪意に、殺されたい。具体的には夜の帰り道、突然後ろから何者かに襲われ鋭い刃物で背中を刺される。鈍器で殴られても良い。後ろから襲われるというシチュエーションが大切だ。そうして驚いて振り向くいた時、私は私に覆い被さる悪意を目撃するのだ。それは普段は空虚の建造物が群生する都市の元、抑圧された暴力性。風船に限界まで空気を詰め込むと破裂するように、衝動的に爆発した狂気。その結果として、私は殺されるという事象が生まれる。だが、私は私を殺したその相手を憎むことはなく、とても愛おしい相手であるように感じられるのだ。私は運命の相手と出会って、今まで生きてきたことを感謝した。そして、心の中でつぶやいた。お父さん、お母さん、産んでくれてありがとう。育ててくれてありがとう。私は立派に殺されました。
 そんな類の妄想は私の頭の中で、無数の銃弾が行きかう戦場のように、言葉の弾丸となり火花を散らしています。私は「自虐の戦場」と呼称しました。

 

 

 

 

「惰性に任せるまま永遠を生きた」

 最期の時、ゆっくりと死にゆく首から下を意識して僕は呟いた。護ってくれた人たち、護りたかった人たちは皆先に逝ってしまった。僕はすっかり生き永らえて、独りぼっちの病室で呼吸器の庇護下に置かれ生かされていた。

 そうだ、若い時僕は死にたかったんだった、すっかり忘れていた。もう首を動かす筋肉も残っていない。唯一見ることが出来たのは、鼻から口元までをすっぽり覆った呼吸器と胸の辺りにぶらさがった点滴器具の不自然な透明さだけだった。寝ても起きても意識してしまうその白色透明は、しかし若い時の僕が最も望んでいなかったものであった。

 若い頃の僕は、自分がどうして生きていられるのかを信じることが出来なかった。まるで雑草のように、ただそこに生えている。そのようにしか感じられなかった。

 それを不用意にも思い出してしまうと、遠い過去に封じ込めていたはずの感情が、突然麻酔が切れて暴れ出す獰猛な肉食獣のように、僕の中で暴れ出した。僕は死にたい、いや殺されたかった。それがのうのうと生きて、あろう事か天寿を全うしようとさえしている。これは許されることだろうか!今、この瞬間にも貧困に喘いで死んでゆく子ども達がいるというのに。加齢と共に肥え太り、それが老いと呼ばれるようになった頃痩せ細っていく。ああ、僕はなんて贅沢なんだ。今や死んで詫びようにも自ら命を絶つことも出来やしないのに。僕は憤った。自分に、世界に。超加速する感情は尋常ではない熱を放つ。熱い、熱い、熱い、熱い。しかし地獄の業火も慣れてしまえば極楽であるのかもしれない。僕はより自分を苦しめるべく、薪を焚べ続けた。焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、焚べて、ようやく死んだ。

 

 

 

後日、超反省会やります。